プロジェクトマネジメント

実用企業小説 プロジェクト・マネジメント

実用企業小説 プロジェクト・マネジメント

如何せんソフトウェア業界が長いもので、他業種におけるプロジェクトの管理とかの勝手が分からないから省くけど、この本、めちゃくちゃ面白い!ちゅうか、経験ある!身に覚えがある!て感じになる人多いのではないでしょうか。よくある「こうすればプロジェクトは円滑に回りだす」的な謳い文句に対処策とその根拠を箇条書きにした本ではなくて、小説としてまとめてある点が非常に読んでいても面白い。登場人物の心理状態やクライアントとの折衝や内部での不平不満に対する対処等も現実味があって。。ちゅうか、かなりリアル。てことは「自分だけがこんな状況に」という自信喪失やストレスを極一般的にPMちゅうのは味わっていたりするんだねぇと思わせる。だって、小説という形態でテンプレート的にデスマが描写されている訳だからね。結局のところ、スキルとか工数とか云々以前に、デスマに突入するのは危機を人事のように自己防衛する『人の心』が根本原因になる訳なんだよね。だからこそ、プロジェクトを成功に導かせる絶対的手法や特効薬が存在しない。つまり、PMだけではなくて、プロジェクトメンバー全員がいかに同じ目標に向かって突き進めることが出来るかがポイント。その舵取りは、別にPMじゃなくても良いと思うんだよね。PMだって、ただの人間なんだから出来ない人は出来ないよ。縦系統による舵取りか、横系統による舵取りかなんて、別に大した問題ではなくて、舵を取ろうとする気持ちが全員にないと沈没必須。この本、近所の古本屋で80円でした。素敵な買い物。