シドニィシェルダン

あまり読書をしない人ですが、ちゅか専門書は絶えず読んでいるんだけど、小説とか読みません。だって、訳わからん他人の空想絵巻を読んでも時間の無駄じゃん?みたいな。けど、シドニィシェルダンだけは別。
かれこれ、5年くらい前に暇で古本屋へ出向いた際にブックオフ100円コーナーで「ゲームの達人」を目にした。これは、僕が中学生の頃、母親が興奮して物語を話してくれたもので、当時聞いた話では「はー、そうなん?で?」みたいな印象だったのだが、タイトルも覚えやすかったので脳裏には焼き付けられてみたいだった。パラパラとめくってみたものの、物語の良し悪しを即座に判断出来るような嗅覚もなく、ただ、文章を眺めた印象では「読み易いな」というもので、購入してみた経緯がある。
で、そのまま部屋に放置していたのだが、とある日、出張で静岡に行くことになり新幹線に「ゲームの達人」を持ち込んで読んでみた。第一部の主人公が裏切られまくる物語の進め方に特別な嫌悪感もなく、むしろ良い意味でのリアリティな感じが心地よく読み進めていると、知らないうちに上巻を読み終えていた。「もっともっと読みたい!」なんて衝動に駆られる本に出会ったのは初めての経験。そして、「明日があるなら」で決定的となった。そもそも映画が大好きなので「他人の空想絵巻を読んでも時間の無駄じゃん?」という理屈は矛盾していた訳だ。文章を読むのが苦手ではなく、くだらん文章の言い回しとか、妙な哲学とか、宗教くさいオーラとかに辟易していただけだったのかと思えるほど夢中になった。こんなに面白い本があるなんて。。今でも「明日があるなら」は、私の中で一番の物語。そんなにたくさんの本を読んでいる訳でもないけど、シドニィシェルダンを超えるスピード感のある物語を読んだことがない。ちゅか、別に他の物語を探したいとは思わない。